書道の豆知識
ここでは書道の要である、漢字の成り立ちについて紹介します。理解していると書道の表現の幅が広がります。
漢字の成り立ち
【右と左】
図1は人間が手を伸ばした状態をあらわしています。これを出発点に、図2のように現在の漢字に変化しました。
右と左で筆順が違うのは、指に当たる部分を先に書いて、腕に当たる部分をあとに書くからです。
そのため、毛筆で書く字では形がはっきり違います。左は縦長に、右は横長になります。筆順に迷ったときは、このことを思い出せば間違いがありません。
【顔のパーツをあらわす漢字】
人間の印象で強く残るのは、顔の印象です。したがって、顔のパーツをあらわす漢字もそのものの形が文字となっています。
「口」は(1)のとおり、開けた口から変化した漢字です。「歯」の漢字は、口の中から見える上下の前歯が見える様からできました(2)。
「目」は横に長い形なので、古くは横に書いていました。しかし、文字を書くとき縦書きだったため、「目」も縦に書くようになりました(3)。そこから派生した「見」は、人が目をこらしてじっと見ることから、(4)のように「目」と「人」がひとつになってできました。
「耳」も(5)のように、耳の形が少しずつ変化してできたものです。
「鼻」は、最初は(6)のように、顔の正面から見た鼻の形を自とあらわしました。その後、「自」は自分自身をあらわす意味に使われるようになったため、あとから音をあらわす卑(ヒ)の変化した形を、「自」の下に付けるようになり「鼻」となりました。
【男と女】
「男」は「田」と「力」がひとつになってできたもので、田で働く人をあらわしています。田畑を耕すスキの形や力強い両腕を、力があらわしています。
「女」は、女の人が手を組んで座っているやさしい姿が変化して今の字になりました。「母」と「女」は移り変わりがそっくりですが、「母」には点がついています。実はこの点が赤ちゃんにお乳を飲ませるための乳房をあらわしているのです。
【子を使った漢字】
赤ちゃんがお母さんの腕の中に抱かれている姿を描いて「子」という字になりました。
「字」は上の部分を“ウかんむり”といいますが、これは家の屋根をあらわしています。この屋根の下で生まれ、育てられる子どもの姿をあわしたのが「字」なのです。
親孝行の「孝」は、老人を子どもが背負うことをあらわしています。
「孫」は「糸」と「子」を組み合わせ、先祖から親→子→孫と一家が糸のようにつながっていくことをあらわしています。



