お稽古風景・生徒の声
本学院の書道教室に通われている生徒さんの声を紹介します。みなさん、書道に楽しみながら取り組んでいます。書道教室に通われる際の参考にしてください。
特別研究科 山本康子(雅号:流仙)
『自分の花を咲かせるために』
小学生のころから書道教室に通い始めました。高校生まで書道を続けていましたが、社会人になってからは忙しく、結婚後は家事や育児に専念していたため、書道から遠ざかっていました。ところが数年前、書家の相田みつをさんの『じぶんの花を』という書を目にし、「いつか私も自分の花を咲かせるようになりたい」と思うように。その後、時間に余裕ができ、ますますその思いが強くなりました。
そんなとき、ある友人から「うちの子どもに書道を教えてもらえませんか?」と言われました。私は「資格をとって子どもたちに自分の好きな書道を教えられたら楽しいし、ずっとやっていけるかもしれない」と考え、師範の資格が取れる書法学院に通うことにしたのです。
本科に入学して、週3日(各2時間)、書道の基礎や、教えるための教育学理論を1年間学びました。その後は師範科に進学。数人の子どもさんたちに教えながら、月9日(各2時間)、中国の古典と日本独自のかなの臨書を2年間かけて、しっかり学んだのです。
私は、この書法学院での充実した3年間のおかげで、素晴らしい経験と感銘を与えていただきました。現在、教えている生徒さんの保護者のみなさんに、「子どもが字をきれいに丁寧に書くようになりました。書道を習わせてよかったです」と言われ、うれしくて励みにもなっています。また、日本で生まれた『かな』の繊細な線の美しさ、余白の絶妙なとり方や、情緒豊かな和歌に引き込まれたのと同時に、『書は心』というのを改めて感じました。
今後は書法学院でもっと豊かな心で学び、できるだけ多くの方々に書道の素晴らしさを伝えていきたいと思います。そして、これまで私が楽しく学んでこれたのは、親切丁寧にご指導してくださった多くの先生方、書道を習わせてくれた両親や家族、励ましてくれた友人たちのおかげです。この場を借りて感謝申し上げます。
随意科 穴水 香(雅号:嬰仙)
『私が書道を始めた理由』
私は、現在2児の母です。小学校のころから書道を習っていましたが、忙しくなり、ずっとお休みしていました。最近、ようやく子育ても一段落。自分の時間が持てるようになったので、再び書道を始めました。
書道を再開したのは、理由が2つあります。まずひとつは、何でもパソコンやメールではなく、自分の字で気持ちを伝えたいと思ったからです。目上の方への手紙や挨拶状、お礼状、年賀状まで、筆で書いたほうが気持ちや温かさが伝わります。最近では、書道を習っているおかげで、抵抗なくスムーズに筆で書けるようになりました。出す相手、内容に合わせて、便せんや封筒を選ぶことも楽しみです。
もうひとつは、小学校4年生の娘と一緒に書道が学べるからです。これから難しい年ごろになるので、親子で肩を並べて同じ先生に習うことが、よいコミュニケーションになると感じたのです。弟ももうすぐ5歳になるので、まずは自分の名前が書けるように、そろそろ始めてもいいかなと考えています。
始めるきっかけはそれぞれですが、書法学院ではあらゆる希望に対応してくれます。かなをやりたい人、大きい字をやりたい人、作品を仕上げたい人、ペン習字をやりたい人、刻字をやりたい人、それぞれのニーズに合った書道ができるのでとても楽しいですよ。私の場合は、楷書と行書を習っていますが、今後はかなにもチャレンジしたいと思っています。私を指導してくださる先生は、大きな作品からかなまで、何でも教えてくださいます。先生の文字が好きなので、これからもずっと習っていきたいと思っています。
今、入学を迷っている方、毛筆に自信がないという方、一度教室をのぞいてみてはいかがですか。私たちと一緒にお稽古してみませんか?
師範科 太幡恵美(雅号:昇仙)
去年、仕事を辞めました。自分の好きなこと=仕事=生き甲斐だったはずなのに、いつから不満が多くなり、達成感がなくなり、気づいたときは自分を見失いかけていたからです。でも、いざ仕事を辞めると、寂しい気持ちになり、自分は何がしたいのだろうと2カ月くらい考えました。そのとき、小学2年生のころに1年だけ習った書道を、もっと真剣に習いたかったという思いがよみがえりました。そして、意を決して書法学院の体験授業を受けたのです。
ほかの生徒さんたちの迫力に圧倒されつつも、懐かしさとある種の爽快感が私を包みました。不安もありましたが、主人の後押しもあって約1カ月遅れで本科に入学。カリキュラムが追いつくまでは、週5回というハードスケジュールでしたが、不思議と苦にはなりませんでした。それどころか、熱心な先生方にも恵まれ、楽しい授業にモチベーションも高まり、心身ともに若返っていくようでした。そしてこの春、本科課程を修了し、師範科に進学しました。
この1年に強く感じたことは、書道とはときには孤独と戦い、ときには孤独を楽しむものだということです。これまで私は、仕事やスポーツは仲間と協力し、励まし合いながら切磋琢磨してやってきました。しかし、書道は最終的に個人がどれだけ努力するかにかかっています。どんなに才能があろうと、努力を怠れば開花しないのだと思います。書道に向き合っていると、「限られたときの中でどれだけのことができるのだろう」という好きな曲の1フレーズが浮かんできます。人生は無限ではありません。あせらず、できるかぎりのことをやりたい。主人や子どもたちに輝いている自分を見せたい。そんな思いが書道を学ぶ私の原動力になっています。



